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一般財団法人ジャパン・マザーミッション機構
理事長 山内 俊夫




前回「平常時と異常時②」


その年の善通寺にある陸上自衛隊第二混成団の
創隊記念日の式典に招かれた時、混成団長など議員数十名の
懇談会の時、当然、話題は阪神淡路大震災の対応や、

それぞれの当日の状況などで話がはずむ。いろんな話の中で
私がいまだに忘れられない話があった。
震災発生後、一番最初に情報収取したのは香川県警の
ヘリコプターであった。

すぐさま陸上自衛隊にも状況報告が伝わり、幸い陸路で
行けるところは淡路島である。
鳴門大橋は既に完成していたが、赤石大橋は建設途中で
あったので、伊丹の旅団は神戸一帯で手一杯、当然、
淡路までは手が回らないのだ。

震源地は北淡町だと確認されたので、善通寺の混成団は
「即座に出発せよ」と命令が下る。この時、混成団長の
名は忘れたが彼は今はまさに「有事」、つまり、異常時である。


派遣団長には後方隊は「必要な要望のみを連絡してこい」
現場では「団長の一存にて全て決定しなさい」と
言って送り出したのである。



北淡町一帯はすさまじいありさまであったそうだ。
到着後すぐ北淡町長と合い、緊急の打合せ会談が行われた。

又、この町長が素晴らしかった。
我が母校、早稲田大学の先輩で政経学部を卒業して
イギリス留学したり、国際感覚も身に付けた
小久保正雄氏なのだ、彼は県議を20年以上勤めあげ、
数か月前に町長に立候補、みごとに初当選したばかりの
新米町長だったのである。

でも人間は経験よりも資質なのである。
団長の報告によると、倒壊した家屋が道路をふさぎ、
通行不能であるので自衛隊には「町内のメイン通りの
瓦礫の除去をお願いしたい」だが、瓦礫とはいえ撤去は
所有者の承諾がいるのではと普通考えるのだが、町長は



「今は異常時なのである。
平常時の考え方をしなくても
良い。私が全責任を持つから一気にかたづけてほしい」



隊長も即座に呼応。その二名の緊急会談のおかげで地元の
消防団と自衛隊が密な連携のもと、約10,000名の町民の
安否が一日で確認が取れたとの事。



平常時と異常時④につづく