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一般財団法人ジャパン・マザーミッション機構
角田頼重

仕事から帰ってくると、玄関の上に何か付いている。

見慣れた自分の家の玄関なので、
遠くからでもその違和感に気付いた。

まわりが暗いので、それが何なのかまでは分からなかったが、
玄関から2~3mくらいまで来た途端、
私はアイドル張りのスポットライトを浴びた。

夜な夜な誰も見ていないだろう自分の家の玄関の前で、
人感センサーのライトによって照らされたのだ。

3秒ほどで、日中の出来事が手に取るように想像できた。
ため息交じりで家に入り、早々に外のライトの事を母に尋ねる。

結果は予想通りで、日中に業者に頼んで
センサーライトを付けたとの事。

お金はいくら掛かったのか聞くが教えてくれない。
言えば私に怒られるので、いいのいいの!と言うばかり。

一応、何故センサーライトを選んだのか理由を聞いた。
その回答は、ライトが点けば泥棒が驚いて逃げるのよ!
これで大丈夫!泥棒は来なくなる!というものだった。

母の中で創造された泥棒が
有能なのか無能なのか分からなくなる。

そもそもマンションなので、
基本的には通路の電気が点いている。

戸建てで独自にライトを設置するならまだしも
マンションでは見た事が無い。

全体を見渡しても明らかに
我が家の玄関だけがおかしい。

丸見えのセンサーライトが付いていて、
ここの住人が異質だという雰囲気を漂わせている。

結局のところ、泥棒に対して設置した物だったが、
帰る度に私が目立つだけの存在となった。

泥棒を見つけるどころか、
他から見れば私の帰る時間が
分かり易くなったんじゃないかと思う。

そしてある日。
何の驚きもなく予想通りだったが、
泥棒に入られて物を盗まれた!と母が騒ぎ出した。

とりあえず、
ライトは役に立たなかった様なので、
玄関から取り外す事を提案する。

何故か拒否。

そしてまた、あれが盗られた!
ここに置いてあった物が無くなった!
などの話を私に向って延々としてくる。

ちょっと静かにしてくれ、
めまいがする・・・。