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一般財団法人ジャパン・マザーミッション機構
角田頼重

隠しカメラでのやり取りも少なくなり、
少しの間だが、大きく騒ぎ立てる事がなかった。

しかし、それも束の間。
母が突然何かを持って帰ってきた。
それは、トランシーバーの様な形をした盗聴器発見器だった。

それをどうしたのかと聞くと、「借りてきた」と。
それが本当かどうかは分からないが、また大層な物を・・・。

今回のソレ。仮に探知機と呼ぶ事にする。
そもそも私も探知機を見るのは初めてだったので、
色々と文句を言いながらも何となく興味はあった。

案の定、母には全く使い方が理解出来なかったため、
私が説明書を読んで使い方を教える形になる。
この探知機を簡単に説明すると、まず、近くに発生している電波を探す。
周波数を調整して電波を探している間は、ピッピッピッ・・・と連続で音が鳴っている。
しかし、一度何かの電波をキャッチすると、
その音のピッチが変わり、ピピピピピピ!と探知機が騒ぎ出す。
音量は調整出来る様になっているが、それでもうるさく感じる音だった。

知っている方もいると思うが、通常の生活の中では、
目には見えない様々な電波が飛び交っている。
そのため、探知機の感度を上げると、かなり鳴りっぱなしの状態になってしまう。
そして、その音を聞いた母はここぞとばかりに食い付く。
やっぱり盗聴器が仕掛けられていたんだ!
という事で、毎日の泥棒騒ぎに盗聴器というオプションが付く。
ピピピピピピピピピ!!

睡眠中、いきなりの警報音で起こされる。
状況が把握出来ない。夢か現実かも分からず、フラフラしながらリビングに行く。
そこには、探知機を持って部屋をうろつく母がいた。
時計を見ると、夜中の2時。呆れと眠気で眩暈がする。

夜中で近所迷惑だと注意するが、泥棒を捕まえるの一点張りで話にならない。
しばらく同じ説明を何回かして、母も近所迷惑を理解したのかどうか日中に行うという事で、その日は就寝となった。
私も覚めた意識を抑えながら、改めて床に就いた。

その日、私は金縛りにかかった。
また信用されていない結果になるのは目に見えているが、
隠しカメラの時と同様、やれる事はやっておきたい。
寝不足の日が続く中、自分自身で後悔しないための作業と思い、
私が探知機を使って盗聴器を探していた。

そんな事を続けていたある日、探知機に音声が入った。