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一般財団法人ジャパン・マザーミッション機構
西田眞紀


私の両親は共働きでした。
母は私の妹(三女)を妊娠中も私と妹(次女)を自転車の後ろに乗せて
保育園の送り迎えをしてくれていたのを今でも時々思い出します。

毎日働いて60歳で定年退職してやっとこれから自分の時間が持てる。
そんな、これからという時から少しずつ物忘れが増えていきました。

早期発見
早期治療と思い無理やり病院に連れて行ったものの
その時はお薬が処方されたかどうか覚えていないぐらい簡単なものでした。

それからどんどん物忘れは激しくなり5年前位から完全に行動がおかしくなりました。

父のことを知らない人が家に入ってくると言って水をかけて追い出したり。

夜中の徘徊で何度も警察に保護され、最初は家まで送ってくれていたのですが
何度も続くのでどうにか対策をしてください。
娘さんはどうされてるのですか?迎えに来てください。と。。。
父は何度も、夜中にタクシーで迎えに行きました。

父は、私たち娘に迷惑をかけれないと、
こんなことが何度か続いてから話してくれました。
まだ、無事に保護されたからよかったと。

父もゆっくり寝ることもできないので
家中の窓やドアに内側から鍵をかけて勝手に出れないようにしたり。

どんどん、家の空気が淀んで息苦しい、暗い家になっていきました。

薬を飲んでいるから病院に定期的に通ってるし、
私は、心の底では大丈夫、私の母に限ってこのまま、
ちょっと物忘れのあるおばあちゃんでいられるはず
薬飲んでるし。。。薬飲んでるし。。。
そう言い聞かせるように毎日過ごしたことを今でも覚えています。

でも、薬は症状を抑えるだけで確実に認知症は進行していて。

母は71歳ですが、娘の私の顔や名前はもちろん
自分の名前もわかっているのかいないのか。字を書くことも、もちろん、
自分の名前を書くなんてもう、できません。

そんな母を見ながら
心はあるのだろうか?
この人生を望んでいたのだろうか?
今、心でどう感じているのだろうか?
と、いつも思っていました。

そして約5ヶ月前に父が癌で亡くなり棺の中の自分の旦那さんを見て
母は『ありがとう』と言いながら顔を触りながら涙を流していました。
その姿を見て、私は号泣でその他のことはよく覚えていません。

ただ、その時、母に心はある。
認知症によって思考力が落ちているだけで、心はあるんだと。

認知症は心までなくなってしまったかのように見えてしまう、とっても怖い病気です。

心と体(脳)がバラバラになる前にもっと早く、どうにかしてあげたかった。
まだまだ、話したいこと一緒に行きたい所、
教えてもらいたいことがたくさんあったのに。

私は、この財団を通して私が母とは出来なくなったこと
当たり前ではない日常の生活、心と体(脳)がバラバラになる前に
1人でも多くの人に伝えていきたいと思います。

母は重度の認知症ですがプラズマローゲンを飲ませています。
少しでも思い出してくれることを願って。