水上先生

粘膜で防御

 

一般財団法人国際健康医療研究所理事長

医学博士・米国公衆衛生学博士 水上 治

 

 

まだまだ全国的にコロナ感染が続いて、皆さんストレスを感じていることでしょう。

近年の研究で分かってきた意外なことは、コロナ肺炎で治った人の1/3程度は抗体を持っていないことです。麻疹にしても風疹にしても、そのウイルスに適応した抗体を創って治すことが殆どですから、意外です。ウイルス感染の常識を破る事実をどう解釈したらいいのでしょうか。

今注目されているのは、ウイルスが、結膜・鼻粘膜・咽頭粘膜・気管支粘膜に侵入した時に、誰もが持っている自然免疫によって撃退されると、抗体を創らないで治るということです。即ち、強固な粘膜ほど、物理的科学的バリアーをつくって、ウイルスを侵入させにくくします。そして、直ちに白血球の一種マクロファージやナチュラルキラー細部などがそこに集まって、ウイルスを撃退します。内部への侵入を許さずに撃退できれば、完治します。風邪のひき初めに、のどのイガイガを感じているうちに、数時間でいつのまにか治ってしまう、あれです。日本が欧米に比べコロナ肺炎の死者が1/100程度の理由として、今一番有力な説は、BCG接種が自然免疫を強めているらしいことです。

このように、何とか粘膜でウイルスをブロック出来たらいいですね。粘膜を強化する方法はいくつかありますが、大切なのは、ビタミンAをたっぷり摂ることです。というのは、ビタミンAは粘膜のバリアー機能をしっかりさせるのに必須だからです。わが国の近年のビタミンA摂取量は、残念ながら不足気味です。今コロナに備えるためにも、ビタミンAそのものを魚介類などから摂り、体でビタミンCに変換されるベータカロチンを含む緑黄色野菜をたっぷりと摂りましょう。私の場合は、確かに緑黄色野菜を意識して摂るようになってから、風邪をほとんどひかなくなりました。

粘膜水際作戦で、コロナの侵入を阻止して、罹患を防ぎましょう。